交通事故では主に転倒して手をついたときに舟状骨を骨折し、痛みや変形等の後遺障害が残ってしまうことがあります。
ここでは舟状骨骨折の概要、治療、後遺障害等級との関係などについて記載しています。
1.舟状骨骨折の概要
舟状骨骨折は転倒して手をついたときなど、比較的強い外力で手関節の背屈が強制されて発生します。
舟状骨骨折は診断が難しく、また、偽関節になりやすいと言われています。しかし、受傷直後に舟状骨骨折と診断されて継続的にギプスなどで外固定を受けた場合には、ほとんどが骨癒合するとされています。
症状は、いわゆる「解剖学的嗅ぎタバコ入れ」の部分の腫脹と圧痛が特徴的といわれています。
2.舟状骨骨折の治療
治療は安定型と不安定型に分類して行われます。
安定型は基本的に骨折線がみえるが転位のないものが該当します。安定型の治療は原則として外固定とされていますが、外固定期間の短縮を目的としたHerbert screwなどによる内固定も普及してきています。
不安定型は単純X線写真で明らかな骨皮質のずれがあるもの、明らかに背側凸変形を示しているものが該当します。不安定型の治療はHerbert screwなどによる内固定が行われます。
3.後遺障害等級との関係
舟状骨骨折後に痛みなどの症状が残った場合には、12級もしくは14級の等級が認定されることがあります。
◇むち打ち・骨折等による痛み・しびれ(軽度神経症状)の等級認定のポイント
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