交通事故では、大きな衝撃や受傷などで大きなストレスがかかり、感覚の鈍化、孤立、周囲への無反応、侵入的な回想(フラッシュバック)、抑うつ、不安などの症状が現れることがあります。
ここではPTSD(心的外傷後ストレス障害)の要因、症状、治療、後遺障害等級との関係等について記載しています。
1.PTSD(心的外傷後ストレス障害)の要因
ほとんど誰でも大きな苦悩を引き起こすような、きわめて威圧的もしくは破壊的な性質をもつストレスフルな出来事や状況が要因となります。そして、このような出来事や状況に対する遅延・遷延した反応として発生するとされています。
2.PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状
典型的な症状として、感覚の鈍化、情動的鈍感さ、孤立、周囲への無反応、快楽消失、心的外傷の想起へとつながるような活動や状況の回避などといった持続的な状態を背景としながら、侵入的回想(フラッシュバック)や夢というかたちで心的外傷が繰り返し再現されることが挙げられます。
3.PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断
原則として心的外傷から6ヶ月以内に発現しており、心的外傷が確かに存在することに加えて、記憶や夢などの中にその出来事が反復的、侵入的な形で想起され、再現されていなければいけないとされています。
4.PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療
心的外傷の性質を理解したうえでび支持的精神療法や安全な環境の提供が必要とされています。抗不安薬や抗うつ薬を中心とする向精神薬投与も適宜用いられます。
5.後遺障害等級との関係
残った精神症状と能力の低下の状態(助言・援助の必要性)などから、9級、12級もしくは14級の等級が認定されます。
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