交通事故では、大きな衝撃や受傷などで大きなストレスがかかり、それに対する急性反応としてもうろう状態(意識狭窄)、逃避反応、自律神経症状、抑うつ、不安などの症状が現れることがあります。
ここでは急性ストレス反応の基礎的なことをまとめています。
1.急性ストレス反応の要因
急性ストレス反応は、事故や火災などできわめて大きなストレスを受けたときに、それに対する急性反応として発症するとされています。個人の脆弱性やストレス耐性も、発症を左右する要因に含まれるとされます。
2.急性ストレス反応の症状
典型的な症状として、もうろう状態(意識狭窄)、注意の狭小化などの初期状態と、それに続くひきこもり・逃避反応等の解離症状、発汗等の自律神経症状、抑うつ、不安などが挙げられます。
重篤ですが一過性の経過をとることが特徴とされています。
3.急性ストレス反応の診断
強いストレス因と症状の発現との間に「即座で明らかな時間的関連」が必要とされています。
症状の発現が4週間以内で、終息するのも4週間以内とされています。
なお、症状が1ヵ月を超えて持続し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の基準を満たすような場合には、診断は「急性ストレス反応」から「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」へと変更されます。
4.急性ストレス反応の治療
支持的精神療法を中心とし、解離症状の重症度によっては向精神薬が投与されます。ストレスフルな環境からの速やかな離脱も重要視されています。
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