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  交通事故では骨折したときなどに、骨折部の近くの神経が損傷を受けてしまい、神経麻痺の症状が残ってしまうことがあります。

 ここでは、上肢の主な神経麻痺である、橈骨神経麻痺、正中神経麻痺、尺骨神経麻痺の概要を記載しています。

 

1.橈骨神経麻痺の概要

(1)橈骨神経の概要

 橈骨神経は、上腕の後部から前腕の外側部を走っており、肘関節、手関節、手指の伸展運動を支配しています。また、上腕、前腕、手の背側の大部分の知覚を司っています。

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◇橈骨神経麻痺の説明(日本整形外科学会)

 

(2)橈骨神経麻痺の症状

 橈骨神経麻痺の主な症状として、下垂手(手関節・中手指節間関節・母指の伸展障害)、前腕と手の橈側、母指と示指との背側指間部の知覚障害が挙げられます。

 

2.正中神経麻痺の概要

(1)正中神経の概要

 正中神経は、上腕部では上腕二頭筋内側をとおり、前腕のほぼ中央を走って手根管内に入り、母指球筋(母指の付け根の筋肉)への運動枝と、母〜中指・環指橈側にいく知覚枝となります。

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◇正中神経麻痺の説明(日本整形外科学会)

 

(2)正中神経麻痺の症状 

 正中神経麻痺の主な症状として、母〜中指・環指橈側の知覚障害と母指球筋の麻痺が挙げられます。

 

3.尺骨神経麻痺の概要

(1)尺骨神経の概要

 尺骨神経は、上腕内側より尺骨神経溝をとおって前腕尺側を走り、深指屈筋・手固有筋群の運動と小指・環指の尺側半分の知覚を司っています。

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◇尺骨神経麻痺の説明(日本整形外科学会) 

 

(2)尺骨神経麻痺の症状 

 尺骨神経麻痺の主な症状として、小指・環指の尺側半分の知覚障害、尺側手根屈筋、環指・小指の深指屈筋、小指球筋、骨間筋等の麻痺、小指球筋の萎縮による環指・小指の鷲手変形、母指指節間関節が屈曲してしまうフローマンサインなどが挙げられます。

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4.後遺障害等級との関係

 神経麻痺によって手関節や手指の関節などに一定の関節可動域制限が残った場合は、所定の等級が認定されます。

 関節可動域制限が一定の要件を満たしていない場合でも、神経麻痺として、12級もしくは14級の等級が認定されることがあります。

◇上肢の欠損障害・機能障害の後遺障害等級

◇手指の欠損障害・機能障害の後遺障害等級

 

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◇後遺障害等級認定のポイント

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