交通事故では転倒して膝を強打するなどして、膝蓋骨を骨折してしまい、場合によっては膝関節の可動域制限や膝の痛みといった後遺障害が残ってしまうことがあります。
ここでは膝蓋骨骨折の概要、後遺障害等級との関係などについて記載しています。
1.膝蓋骨骨折の概要
膝蓋骨は、大腿四頭筋腱の間に埋まっているため、直達外力によるものは不規則な星状骨折(粉砕骨折)線が入ります。
膝が急激に屈曲され、反作用として大腿四頭筋の急激に緊張することで生じる介達外力によるものは、横に骨折線が走るもの、膝蓋靭帯の断裂を起こして分離するものなどさまざまあります。
直達と介達の両方の外力がともに加わった場合には、分離と複雑な骨折線が生じます。
2.膝蓋骨骨折の治療
膝蓋骨骨折の治療は、骨が縦に折れている場合には手術が不要な場合が多いとされていますが、横に折れている場合などには手術が必要とされています。
手術は、tension band wiring(鋼線締結法)が行われることが多いとされています。
手術後は膝を軽度に屈曲した位置でギプス固定し、約1週間後から関節運動と筋力訓練を開始します。
3.後遺障害等級との関係
(1)認定基準
膝蓋骨骨折に関する後遺障害の認定基準は、下記のとおりです。
◇疼痛等感覚障害(受傷部位の疼痛及び疼痛以外の感覚障害)
(2)認定される等級
膝蓋骨骨折後に膝関節に一定の可動域制限(健側の3/4以上制限)が残った場合には、12級以上の等級が認定されます。
可動域制限が一定の要件を満たしていない場合でも、痛みなどの症状が残った場合には、12級もしくは14級の等級が認定されることがあります。
【関連ページ】