2.捻挫の概要
(1)捻挫とは
捻挫とは、関節に正常な運動範囲を超える力が加わって、関節を補強している靭帯や関節包などの軟部組織が引き伸ばされた状態、または切れた状態をいい、脱臼と異なり、関節面相互の位置関係に乱れがないものをいいます。
(2)捻挫の治療
絆創膏、固いサポーター、ギプスなどによる固定を行います。靭帯の断裂があり、不安定性のある場合は、手術療法がとられることがあります。
3.脱臼の概要
(1)脱臼とは
脱臼とは、関節包や靭帯などの支持組織が断裂破壊され、関節面相互の正常な位置関係が崩れた状態をいいます。
関節面がまったく接していない完全脱臼と、関節面の一部がなお接した状態にある亜脱臼があります。
肩関節、肘関節、股関節などに多く発生するといわれています。
(2)脱臼の治療
早期(24時間以内)の整復(転位した骨を正常の位置に復させること)、固定、機能訓練が基本とされています。
整復が遅れると機能障害などの後遺症を残しやすいとされています。また、十分な関節固定が必要とされる一方で、関節拘縮(関節周囲の軟部組織の癒着、変性によって起こる運動障害)の発生を予防するため関節運動を早期から始めることも必要とされています。
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