交通事故では頭部に衝撃を受けてくも膜下出血を起こし、頭痛、吐気・嘔吐、意識障害等の症状が現れることがあります。
ここでは、外傷性くも膜下出血の概要、症状、治療、後遺障害等級との関係について記載しています。
1.外傷性くも膜下出血とは
外傷性くも膜下出血とは、頭部への衝撃により、くも膜と軟膜の間(くも膜下腔)に出血したものをいいます。
多くの場合、外傷性くも膜下出血は、衝撃のために生じた脳挫傷などからの出血がくも膜下腔へ広がって発生すると言われています。
2.外傷性くも膜下出血の症状
外傷性くも膜下出血の症状として、頭痛、吐き気・嘔吐、意識障害など多様なものが現れ、現れる症状は出血量と高い相関関係があると言われています。
3.外傷性くも膜下出血の治療
急性硬膜下血腫や脳挫傷にともなうくも膜下出血の場合は、急性硬膜下血腫や脳挫傷の治療方法に準じて治療が行われます。
外傷性くも膜下出血のみの場合は、保存療法が行われます。
4.後遺障害等級との関係
(1)認定される等級
外傷性くも膜下出血によって残った症状により、認定される等級は異なってきます。
高次脳機能障害や麻痺症状の場合は、基本的には9級以上の等級が認定されます。
(2)参考事例
①脳挫傷による高次脳機能障害について自賠責後遺障害2級が認定された事例
②外傷性くも膜下出血・脳挫傷等後の高次脳機能障害について自賠責後遺障害5級から3級に変更された事例
③外傷性くも膜下出血・びまん性脳損傷等後の高次脳機能障害等について自賠責後遺障害併合4級が認定された事例
④脳挫傷等による記憶障害・てんかん等の高次脳機能障害について自賠責後遺障害5級が認定された事例
⑤脳損傷による高次脳機能障害・嗅覚障害等について自賠責後遺障害併合8級が認定された事例
⑥脳挫傷・外傷性くも膜下出血等による高次脳機能障害・めまい・嗅覚障害等について自賠責後遺障害併合8級が認定された事例
⑦脳挫傷による物忘れ・てんかん等の高次脳機能障害について自賠責後遺障害9級から7級に変更された事例
⑧脳挫傷等による神経症状について自賠責後遺障害併合12級が認定された事例
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