交通事故では頭部に衝撃を受けてしばらく時間が経過してから、ゆっくりと硬膜の下に血腫がたまってくることがあります(慢性硬膜下血腫)。
ここでは、慢性硬膜下血腫の概要、症状、治療、後遺障害等級との関係について記載しています。
1.慢性硬膜下血腫とは
硬膜下血腫は、頭部への衝撃により、硬膜の下=硬膜とクモ膜の間に出血し、出血がたまって血腫を形成したものです。
受傷後3日以内に血腫があらわれるものを急性硬膜外血腫、受傷後3週間以上経過してからゆっくりと血腫がたまってくるものを慢性硬膜下血腫といいます。
慢性硬膜下血腫は、軽微な頭部外傷を原因とすることが多く、受傷から2〜3ヶ月経過後に症状が現れ、高齢者に多く見られるのが特徴とされています。
2.慢性硬膜下血腫の症状
慢性硬膜下血腫の症状として、頭痛、言語障害、痴呆などの精神症状、半身麻痺などが挙げられます。これらの症状が進行すると、意識障害も現れてくることがあります。
3.慢性硬膜下血腫の治療
慢性硬膜下血腫では手術が行われるのが一般的で、頭を大きく開く手術ではなく、小さな穴を開けて血腫を洗い出す手術を行うことでほとんどの場合に治癒するとされています。
脳そのものの損傷はほとんどないため、後遺症を残すことは少ないと言われています。
4.後遺障害等級との関係
慢性硬膜下血腫で後遺症が残ることは少ないとされていますが、高次脳機能障害や麻痺症状が残った場合は、基本的には9級以上の等級が認定されます。
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