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 交通事故では頭部に衝撃が加わって、意識障害が現れ、重い後遺障害が残ってしまうことがある一方で、軟部組織の損傷や脳震盪など比較的軽度ですむこともあります。

 ここでは、軟部組織の損傷と脳震盪の概要について記載しています。

 

1.頭部軟部組織の損傷

  頭部表面の軟部組織は、外側から順に、①表皮(頭皮)、②皮下組織、③帽状腱膜、④帽状腱膜下組織、⑤骨膜、の5層構造になっています。

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 この軟部組織の損傷は、開放性損傷と閉鎖性損傷に分けられます。

(1)開放性損傷

   開放性損傷として、切創(切り傷)、刺創(刺し傷)、裂創(裂けた傷)、擦過創(すり傷)などが挙げられます。

  軟部組織は血管が豊富なため、創口からの出血が多いのが特徴です。ただ、出血量は多くても100ccほどで、通常は輸血や入院までは必要ないといわれています(但し、乳幼児・高齢者は別)。

 

(2)閉鎖性損傷

  閉鎖性損傷は、開放性損傷と違い、皮膚の表面が切れていない場合の損傷です。

  例えば、頭部打撲などによる、皮膚の挫傷、こぶ(皮下血腫、帽状腱膜下血腫など)などが挙げられます。

 

2.脳震盪

  脳震盪とは、一過性の意識障害が起こるが、短時間のうちに意識が回復し、脳の器質的変化を残さないもの、と定義されています。

  MRIで異常所見が認められる例も多くありますが、後遺症が残ることは稀であるとされます。

 

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