交民集14巻6号1255頁

荷下ろし作業中の事故について、自賠法3条の「運行によって」発生したものといえるかどうか。

原審が適法に確定した事実関係のもとにおいて、本件事故が自賠法3条にいう自動車の運行によって発生したものということはできないとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。

＜原審の判断＞

本件事故現場は外部の人や車両が出入りすることが許されていない場所であり、しかも、駐車してから1時間余り経過したのちの荷下ろし作業中の事故であり、その荷下ろし後に事故車両の走行が予定されていたものでもないから、本件事故は自賠法3条にいう自動車の「運行によって」発生したものではない。