むち打ち症(頚椎捻挫)で様々な症状が現れる原因について
交通事故でむち打ち症(頚椎捻挫)を受傷したときに、首の痛みのほかに様々な症状が現れてしまい、つらい思いをしていることについて周囲の人に理解されにくいことがあります。
このように頚部への受傷で様々な症状が現れる原因について、首には頭部や上肢に行く重要な神経や血管が通っているため、と言われています。首の神経や血管に刺激・圧迫・損傷などを受けますと、その神経や血管が支配する領域すべてに関連する症状が現れてしまってもおかしくないということになります。
特に自律神経の1つである交感神経は、身体への様々な刺激(温度、湿度などの環境の変化、肉体や精神の疲労によるストレスなど)に対して外界への対応を積極的に行うように諸臓器を活動させる神経で重要なものですが、首には交感神経の根元ともいう交感神経節がいくつもあり(これらのうち一番大きいものが星状神経節)、事故で交感神経に刺激等を受けますと、めまい、耳鳴り、難聴、眼の調節障害、かすれ声等の様々な症状が現れてしまうことがあり得ることになります。
また、首を通る血管である椎骨動脈も、脳(小脳・脳幹部)を栄養する動脈の1つで重要なものですが、首の受傷により椎骨動脈が損傷・圧迫等を受け血流不全などになる場合にも、交感神経の異常と同じような様々な症状が現れることがあります。
このように頚部への受傷では、首に重要な神経・血管があることにより様々な症状が現れることがあります。現れた症状については症状の出現時期とあわせて、できるだけすべて医師に伝えて(言葉で伝えづらいときはメモなどで)、耳や眼などの症状が続くようでしたら、耳鼻科医や眼科医などの各専門医に一度診ていただいた方がよいと思います。
(平成26年7月10日作成、令和5年7月26日改訂)
【取扱事例】
◇自転車同士の事故での頚椎捻挫について人身傷害保険から12級13号が認定された事例
◇頚椎捻挫後の頚部痛・上肢痛等について自賠責後遺障害併合12級が認定された事例
◇頚椎捻挫後の頚部痛等について自賠責後遺障害非該当から14級9号に変更された事例
◇頚椎捻挫後の頚部痛等について自賠責後遺障害非該当から14級に変更された事例
◇頚椎捻挫後の頚部痛等について自賠責後遺障害非該当から14級9号に変更された事例
◇頚部痛等について2回目の異議申立で自賠責後遺障害非該当から14級9号に変更された事例
◇頚椎捻挫の症状について異時共同不法行為で自賠責後遺障害14級9号が認定された事例
◇頚椎捻挫後の頚部痛等について自賠責後遺障害14級9号が認定された事例
◇頚椎捻挫後の頚部痛・手のしびれ等について自賠責後遺障害非該当から14級9号に変更された事例
◇頚椎捻挫後の頚部痛、両上肢痺れ等について自賠責後遺障害非該当から14級に変更された事例
【関連ページ】