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むち打ち症(頚椎捻挫)治療時の医師とのやりとりのポイント

 交通事故によるむち打ち症(頚椎捻挫)で症状の重さに見合った適切な賠償を受けるには、ご通院先の医師とのやりとりが大切になることがあります。

 それは、医師の所見が治療期間(症状固定時期)や後遺障害等級認定などに大きく影響することがあるからです。

 医師は損保会社から文書照会を受けることがありますが、これに対して「まもなく症状固定」、「〇月頃治療終了」などと回答しますと、損保会社もその回答内容に基づいて対応してくることもありますし、また、「後遺症は残らない」などと回答されますと、後遺障害の請求も難しくなると思います。

 主治医の先生が後遺障害の等級認定を行うわけではありませんが、実質的には最初の後遺障害等級認定の役割を担っているといっても過言ではありません。

 医師の多忙さやむち打ち症・保険請求に対する考え方などから、医師とのやりとりが難しいこともありますが、できるだけスムーズに医師とやりとりするポイントとして、下記が挙げられます。


〇病院を簡単に変えないこと

 病院を簡単にいくつも変えることは、医師からよい印象を持たれない恐れがあります。医師から「途中からの通院だからよく分からない」などと言われ、協力を得られないこともあり得るからです。また、転院前の医師にも保険会社などから文書照会されることがありますので、場合によってはあまり良い回答がなされなかったり、現在の病院の医師の所見と一貫性が認められないことがあり得ます。

 

〇病院を変えるときは、できるだけ紹介状を

 ご通院先が不便等の事情があって転院するときは、できるだけ転院前の医師に紹介状を作成してもらう方が、次の医師にスムーズに引き継げると思います。

 接骨院や鍼灸での治療を受ける際も、可能でしたら、あらかじめ医師にご相談しておくことが望ましいです。

 

〇医師の説明内容等をよく聞いておくこと

 医師が一度説明した内容は、後になっても変えないことが多い印象があります。医師の説明内容がご自身に有利な内容でしたら、後で診断書の作成をお願いする際に、その内容を記載してもらえる可能性が高いといえます。

 仮に不利な内容と思われる説明でも、第三者が聞くとそう解されないこともありますので、ご自身で決めつけず専門家に相談することが良いと考えます。

 

〇できるだけ医師に理解してもらえるように話すこと

 医師には症状のほか、事故の状況も話しておくことも大切です。症状が複数ある場合には、どのような症状がいつ頃から現れたかをメモにして渡しておくと、医師にも漏れなく伝わると思います。

 

〇治療の考え方

 被害者の方は、症状の改善さらには完治を目指して治療を続ける一方で、医師も同じ考えで治療を行うと思います。しかし、ある程度の間治療を続けても、あまり状態が変わらず治りそうもないと思ったときには、あまり深刻に考え過ぎず、後遺障害の請求を意識することでやむを得ないと考えます。事故は様々なことが影響しており、事故の問題が解決した後に良くなることもあるからです。

 希望する医療機関等で自由に治療を受けたいという気持ちもあると思いますが、適切に賠償を受けるため、とりあえず今の病院では我慢して治療を続け、事故の問題が解決してから落ち着いて希望する医療機関等で治療を受ける、などと割り切ることも大切になることがあると考えます。

以上

(平成26年4月7日作成)

 

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