労災保険の「労働者」に当たるか問題となる場合について
労災保険は、労働者が労働災害(業務災害、複数業務要因災害または通勤災害)により怪我等をしたときに補償を行う制度ですが、そもそも労働者に当たるかどうか問題になることがあります。
ここでは、労働者の意味、労働者に当たるかどうかの判断ポイントなどについてまとめています。
1. 労災保険が適用される「労働者」とは
労災保険が適用される「労働者」とは、職業の種類や常用・臨時雇用・日雇・アルバイト・パートタイマーなどの雇用形態に関係なく、適用事業(原則、労働者を使用するすべての事業)に使用される労働者であって、賃金が支払われる方をいいます。
この条件を満たせば、働き始めた最初の日に労働災害が発生した場合や1日だけの契約で雇用された当日に労働災害が発生した場合でも、労災保険の給付を受けることができます。
2. 労働者に当たるかどうかの判断ポイント
近年、多様な働き方が生まれており、名目は事業主でも、実質的には労働者と認められるケースが出てきています。
下記の項目が多く該当する場合には、「労働者」として労災保険で補償される可能性があります。
(1)就業期間中、会社に専属的に従事していた(他社では働いていなかった)
(2)会社は事前に勤務表を作成・提示し、勤務時間を指示していた
(3)作業に使用する道具類・車両は会社の所有物であり、貸与を受けていた
(4)作業材料は会社が契約している材料店で仕入れ、材料費は会社が支払っていた
(5)会社から作業内容や勤務時間について指揮監督を受けていた
(6)出来高払制の報酬を受けていたが、実質は労務の対償として支払われていた
(7)会社が仕事の結果について一切の責に任じていた
3. 対応方法
労働者にあたるかどうか疑問がある場合には、労働基準監督署や社会保険労務士にお問い合わせ・ご相談をいただきますとよいと思います。
(令和6年1月5日更新)
【参考ホームページ】
◇社会保険加入にあたっての判断事例集(国土交通省ホームページ)
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